どこへ歩いて行くのですか。(篆刻:一歩)

一歩
ペプシのCMは、ハワイロケをへて、756号のホームラン世界新達成まで続く。 ハワイでも面白い話はあるのだけれど、まず電通のSさんの話の続きを。 会津八一・秋草道人を、私は書家として尊敬するが、歌人、画家、美術史、英文学者。 直弟子・安藤更正は「書豪 会津八一」の自序で「レオナルド的天才」と書いている。 その安藤先生の教え子がSさんだから、会津八一の孫弟子。ああ、羨ましいな。 安藤先生のゼミの後だろうか。ついて来なさいと言われて、後ろを歩く。ただ歩く。 しびれを切らせて、「先生、どこへ行くのですか」と聞いたSさんに、安藤先生は言った。 「君は、どこへ行くか分からないと歩けないのか」 それを聞いてSさんは土下座せんばかりに恥じ入った、という話。 その話を聞いて、私もSさんに土下座をしそうになった。ありがたい話だもの。 篆刻は「一歩」。これでも最近の作だが、字体は漢字が出来たばかりのもの。 「一」は何万年たっても一のまま。「歩」は、右と左の足一対、足あとかもしれない。 誰もみんな、どこへ行くかなんて分かりはしない。けれど、とにかく歩いている。 なぜ自分が篆刻をしているかも、よくは分からない。でも、どこかへ向かっての一歩。 どこへ行くのか分からないブログの節目の30回目。いい話が出来てよかった。
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