生きもの

ムラクモカレハ(篆刻:蛾)

去年の11月、梅の木の根元の草を刈っていて、
こんな何かの卵らしきものを見つけました。
早速「昆虫エクスプローラ」の川邊透園長に送って伺ったのですが、
「蛾の仲間の卵には違いないと思います。
スギドクガ(←ドクガ科だけど無毒です)の卵などに似ている
ようにも思いますが、よくわかりません。」とのことだったので、
自分であちこち検索してみたら、、、
 

台湾の昆虫のサイトに似た卵があって「枯葉蛾」とあるのを発見。
川邊園長に知らせたところ、「とても似ていますね。
カレハガ科のムラクモカレハのようですが、
日本にはもともといない種類で、2000年代前半に大阪南部に侵入し、定着しています。
この卵が奈良で見つかったとなると、ちょっと事件かも」と
卵を送るよう頼まれました。

今年の2月には、メールで「卵が屋内の冷暗所に置いていたら孵化しました。
やはりムラクモカレハに間違いなさそうです。
コナラやクヌギなどのブナ科や、アカメガシワ、アラカシなどを
食べるはずなのですが、まだ新芽が開いていないので、
冬芽を剥いたり刻んだりして与えていますが、生きてはいるものの
食べている様子がなく苦慮しているところです。」と写真が届きました。
 ①
・・・そして、8月26日には、
「春先の2月に孵化しました。
常緑のアラカシの葉を与えて飼育したところ、当初は食いつきが悪くて苦労しましたが、
なんとか4匹がうまく育って繭を作り、一昨日に、そのうち1匹が羽化しました(添付写真)。
まぎれもなくムラクモカレハのオスでした。
大阪府の和泉市、堺市のみで確認されている外来種で、奈良には居てはいけないものなので、
広がっていないかという心配があります。
幼虫の写真も添付しましたが、このような大毛虫を見かけられたことはないでしょうか?
卵や繭、成虫も含め、また何かお気づきのことがありましたらぜひご連絡ください。」とのメールで、
2枚の写真も届きました。
 ➁

 ➂

続くメールでは、
「今日、蛾の専門家の方から、ムラクモカレハは、
大阪の和泉市、堺市以外に、京都府内でも見つかっているということを聞きました。
京都のどこかはわからないのですが、もしかして、山城のどこかだったら、線がつながってきそうですね。」
・・・2000年前半に大阪に侵入した外来種の蛾が、
2023年、奈良の百野草荘で見つかり、京都府内でも見つかっていたというお話でした。
※写真①➁➂撮影は、「昆虫エクスプローラ」園長の川邊透さん
 ※篆刻は「蛾」。
 

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